先生を辞めた~私の場合~

教員の仕事、大好きだけど辞めました!鬱(再発防止期)と育児とお仕事の話。

鬱のまま働く⑯〜異動の挨拶で気づく、やっぱり学校が好き〜

 

異動の挨拶

前回は離退任式について書きましたが、今日はその後について。

(前回の記事はこちら⇩)

sennsei-yameta.hatenablog.com

 

異動前の勤務最終日が近付くと、
生徒の前で話す離退任式とは別に、離退任者が職員の前で一人ずつ挨拶をする時間があります。
いくら離退任者が多くても、そちらはさすがになくなりませんでした。(そりゃそーだ)

先生方の前で話すことも怖かったのですが、
産休育休をとらせてもらったこと、
育児をしながらの仕事で色々ご迷惑をかけたこと、
そして助けてもらったこと

色々と感謝を伝えなければいけない。
いや、伝えたい。
泣いてでもその挨拶はするつもりでいたし、伝えたいことは自然とまとまっていました。

当日は職員室で、
マイクを持って順番に話していきました。


先輩方の挨拶

退任される先生方の長い歴史。
重みのある言葉。
私の経験なんて足元にも及ばない。

中には歌を歌われる先生もいて、その声の中に伝えきれない想いがあふれているようでした。
この時点でもう泣きました。

毎年のこの挨拶の時間に、それまで聞くこともなかった先生方のご苦労や思いが初めて明かされたりします。


あぁ、そんな思いで生徒に向き合ってらしたんだ。
え、ご家庭にそんな大変なことがあったなんて。

多くを語らないタイプの先生方も、その時ばかりは話してくださることがあります。

一生をかけてきた先生方の覚悟と経験と、語り尽くせない苦しさと喜びと。
私はここまでたどり着けるだろうか。
そんな覚悟ができるだろうか。

順番にマイクが回ってきます。
なんだか緊張。

 

学校を嫌いになれない

礼をして話し始めた瞬間から、私の声は震えていました。
笑顔で話すことはできたけど、涙は止められませんでした。

すみません、もうちょっと泣かずに喋れる予定だったんですけど、、と言うと、
お世話になっていた先生たちの「大丈夫だよ〜」という声が聞こえてきました。
みんな優しい眼差しで、笑顔でこちらを見ていてくれました。

人が怖いと思っていた自分が、情けなくなりました。
みんなきっと私のメンタルの不調に気付いていたんだと思います。
自分からそれを話すことはできなかったけど、
ちゃんと向き合って顔を上げてみたら、世界はそんなに怖くなかったのかもしれない。

そうだ、こういう場所だから、私は学校が好きだったんだ

辛いことも苦しいことも、ぶつかり合うこともありました。
逃げたいと思うこともたくさんありました。
それでも私は学校という場所が嫌いにはなれませんでした。

嫌いになれてたら楽なのに、なんて、恋愛ソングみたいなことも考えました。

 

しがみつかせてもらった場所

地区の最底辺校で過ごした年月。
不器用でひねくれがちだけど、本当はまっすぐな生徒たち。

大変な状況の中、大変なものを抱えながら学校に来ている生徒たちと毎日向き合いながら、
私も、自分にとって何が大切で、何を大切にしなければいけないのかを考えさせられる毎日でした。

育児と仕事を天秤にかけたら、どっちも重すぎて天秤が壊れました。
わが子たちの母親は私しかいません。
でも、目の前の生徒たちの高校生活もたった一度きりです。
要領よくバランスをとるなんて、私にはできませんでした。

体調を崩して思うように働けず、生徒にも先生方にもたくさんご迷惑をおかけしたと思います。

やんちゃでかわいい生徒たち、そしてそれを見守る先生方の熱意に引っ張られて、
なんとか教員という自分の夢にしがみつかせてもらいました。
いつか、少しずつ落ち着いてきたら、恩返しがしたい。

それまで、逃げずに頑張ってみたい。
心身ともに、そんなに簡単に治るわけはないんですが、そう思いました。

そのときの、正直な気持ちです。