鬱になってボロボロになって。
でも退職も休職もできない。
そんなとき、一歩踏み出すきっかけになる管理職からの声かけがありました。
(過去の経験談です。今はうつも落ち着いて再発防止期です(^^))
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気付いてくれた上司
面談に呼ばれ、小さな特別教室に入って、管理職の一人と向かい合って座りました。
パワフルな他の二人の管理職とは違って、とても腰が低いおだやか〜な先生でした。
「転勤してきた先生たちにも、最近の様子聞いてるんだよね。」
「育休から復帰してみて、どう?」
最初はこんなふうに聞かれたと思います。
私は平静を装って、「最初はてんやわんやだったけど少しずつ慣れてきました」なんて言おうと話し始めました。
でも、言葉とは裏腹に、涙がボロボロと出てきてしまいました。
なんてこった。
突然の面談で、うつのこと話す決断もできてなかったのに。
開始早々、めっちゃ泣いてるじゃん私。
「大変だった?」
優しく聞いてくれたのを覚えています。
私、余計に泣きます。
「実はね、こんなこと言われるの嫌かもしれないけど、見ていて、すごく苦しんでるんじゃないかと思ってたんだ。」
号泣です。
つらいって言えない性格
私は昔から、辛いとか疲れたとか、家族以外の人の前で話すのが苦手でした。というか出来なかった。
けっこうしっかり者と言われていたし、そこそこ優秀と言われる経歴を生きて、かっこつけて強がっている部分もありました。
もっと疲れてる人はいるとか、このくらいで弱音を吐いたらだめだとか、真面目に考えていました。
それに、なにより、とても気が弱いので、本当につらいことを誰かに話して「そのくらいで?」とか「気にし過ぎだよ」とか言われることに、過剰に怯えていました。
そう言われたらきっともっともっと苦しくなるから。それなら誰にも言わないほうが楽だと感じていました(今もそう思っています。)
うつになって、家でボロボロ、子供の前ですら感情のコントロールができず、泣いたままうずくまって指一本も動かせないお母さんだったけど、
職場ではなんとか、気付かれないように、涙や気持ちの落ち込みを隠せているつもりで過ごしていました。
でも、この管理職には見抜かれていた。
苦しさを打ち明けた
「実は、うつ病だと診断されています。休職か退職をしたほうがいいと言われました。」
ここでこの涙の理由を誤魔化すほど、このまま隠して働き続ける覚悟はできていませんでした。
泣きながら伝えました。
「もう病院も行ってるんだね。薬もちゃんと飲んでる?」
管理職の先生は優しく受け止めてくれました。
まず受け止める。って、こういうことか。人手が足りなくて大変な職場なのに。受け止めてくれたことに今になっても感謝しかありません。
「実は僕もね、うつとは長い付き合いなんだよ。」
そう言って、ご自分のことまで話してくださいました。
あぁ、この人は、人の苦しさをちっぽけだなんて言わない人だ。
そう感じて、私は今までの苦しかったことを泣きながら打ち明けました。
家族以外の人にこんな話をしたのは生まれて初めてでした。
「先生の人生だからね。まだお子さんたちも小さいし、周りのことは、気になるだろうけど、気にしなくていいから。」
ゆっくり言葉を選んでかけてくれた言葉の一つ一つが有り難くて、少しスッキリしました。
この日の面談が、自分の人生を自分で決めるための最初の一歩になりました。
でも、その後もまだまだ、退職も休職もできないんです。
つづく