鬱になってボロボロになったまま、退職も休職もできずに教員として働き続けました。
環境を変えたら治るかも!なんて期待して異動もしましたが、治らず。
退職申し出(数年ぶり2回目)を決意しました。
(これは過去の経験談です。今はパートさんとしてのんびり働いて、うつも再発防止期で穏やかに過ごしています。)
今日は、その決断に影響を与えてくれた親子について。
その親子と出会った頃の私
Aさん親子と出会ったのは、うつを発症した学校、地区で1番荒れた高校でした。
(大事なことなので毎回言いますが、生徒一人ひとり、根は本当にいい子です。)
持病をもって生まれた下の子の育休復帰の年、副担と時短を希望しましたがどちらも叶わず。
定員割れの学年の担任として、フルタイムで復帰しました。
旦那はバリバリ運動部顧問で、朝も晩も、土日も家にいない。
保育園児二人かかえて、しかも下の子は身体が弱い。
さらに荒れた高校あるある(勤務していた自治体では)の、教員が足りない状況。
めちゃくちゃ働きました。
眠れなくなりました。
あれよあれよと自律神経失調症になり、鬱になりました。
Aさん親子との出会い
1番大変だったその年に、担任として出会ったのが、Aさん親子です。
教員をしていた間、たくさんの親御さんと出会いました。
みなさんそれぞれ素敵な方でしたが、
私はこのAさん母の思いに、退職決断の背中を押してもらった気がしています。
もちろん詳しく書くことはできませんが、Aさん親子の家庭はとてもとても複雑な環境で、
中学校からも「児童相談所との連携あり」と申し送りがきていました。
(そういったご家庭がどうこう、という話ではなく、あくまでも1つのご家庭との出会いで感じたこととして書きます。)
Aさん自身は、穏やかで優しそうに見える、笑顔のかわいい子でしたが、次第に無断欠席や遅刻が目立つようになりました。
とはいっても、荒れた高校なので、朝のホームルームに全員揃うことなんてもともとないし、
半分くらい朝から居たら上出来!みたいな感じでしたが(^_^;)
Aさんは、夜なかなか眠れないせいで、朝起きられない、と話してくれるようになりました。
学校に来た日には養護の先生も交えて面談をしたり、休み時間に他愛もない話で声をかけたりと、理解を深めるようにしていきました。
Aさん母ともお話する機会がありました。
明るく、お子さんたちへの愛情をもっていらっしゃる素敵な方でした。
お喋り上手な方だったので、時間を忘れてつい私まで楽しく喋っちゃう、なんてこともありました。
親子の抱える苦しさが徐々に
でも、次第に分かってきました。
詳しく書けませんが、とても複雑なものを彼女自身も抱えていました。
入学からそう時間の経っていなかったある日、児相から連絡がありました。
Aさん自身が、助けてほしいと児相に連絡をしたんです。
原因は家庭での出来事。
一時保護されました。
高校生なので優先順位は低く、すぐに自宅に戻されましたが
Aさん親子との本当の意味での関わりは、この日から始まりました。
Aさん親子は、それぞれ、別の精神疾患を患っていました。
何人かいる他の兄弟も、同じ傾向があるようでした。
とてもとても複雑な問題が次々おこりました。
誰の言っていることが本当で、何を守ればいいのか。
私はあくまでもAさんの担任として、自分を客観的に置いておかなきゃいけません。
正直、その関わりの期間中に私自身も鬱と診断されていたので(もちろんAさん親子が原因なのではなく、たまたま時期が重なっただけです)
かなり苦しいものがありました。
感情移入をしてはいけない。
けど、どうしても考えてしまいました。
今までこの親子はどのくらい苦しんできたのか、
そう思うと、大げさでなく胸が張り裂けそうなくらい。
私は精神科医でもなく、児相職員でもなく、
その家庭の中のたった1人(+お母さん)と関わることしかできない、ただの担任教師です。
その立場で何をすべきなのか、
どこまで足を踏み入れるのか、
管理職や養護教諭、児相職員、ソーシャルワーカーさん、色んな人と話し合いながら進めました。
みんな辛い
報道などであるように、児相も手いっぱい。
大きな問題がおこった直後以外は基本的に
「学校でよく様子を見て、何かあればすぐ児相に連絡してくださいね」と言われます。
荒れた高校なので、
担任していたクラスには、他にも児相に繋がりのある生徒や、警察にお世話になる生徒もいて、
私ももう、パンクです。
もちろん辛いのは生徒たち自身で、私はそこから目をそらしてはいけません。
でも、内心限界です。
だって、自分の子どもたち、放ったらかし。
さらに言うと、私だって鬱になって心身ともにボロボロです。
でも、どんな経緯であれ、引受けたからには担任としての仕事をしなければ。
いやでも、頑張りたくても頭が働かない。
そして、重たい案件ほど、精神的にとってもツラい。
毎日が葛藤でした。
さて、
そんな関わりの過程で、Aさん親子の姿から色々感じさせてもらうことがありました。
それについては、長くなるのでまた後編に。