鬱を抱えたまま、荒れた高校から落ち着いた進学校へ異動した私ですが
戸惑うことも当然たくさんありました。
みんなに羨ましがられるような異動、もっと楽しめたら良かったんですが、私はずっとソワソワしていました。
不安が強くて自信も持てませんでした。
今日はその戸惑いのうちの、授業の様子の違いについて。
着任して最初の授業の日
1時間目が空いていたので、廊下に出て教室の様子をのぞいてみました。
うーん。廊下には誰もいない。さすが。
え、、
授業が始まる前に着席してる… ?!
えぇっ、
教科書が机の上に用意されてる…?!
いやいや
これは4月最初の授業だからに違いない。
と、信じられない光景を疑いたくなりましたが、
他の先生方に聞いてみると、どうやら一年中この調子らしい。
なんてこった!
前任校ではどうだったかというと
それまで(荒れまくった地区の最底辺校で)は、
チャイムが鳴る前から教員は廊下あたりにスタンバイ。
羊飼いのように生徒たちを教室に「はいはい、始まるよ」と誘導しなきゃいけなかったんです(T_T)
もちろん誘導されるはずもなく、
あの手この手でなだめすかしてなんとかチャイム5分後くらいに教室にみんな入れたら超上出来でした(T_T)
席に座らせるなんて、さらにもう5分10分は余裕でかかるし、
いやそれ以前に座るわけない。
ロッカーの上で寝てるわ、
隣のクラスから続々と乱入してくるわ、
勝手に抜け出すわ、
友達と合流して階段でじゃがりこ食べだすわ、、、
そんな学校にどっぷり浸かりきっていた私。
異動先の学校の授業の様子には、そのあと一年経っても慣れませんでした。
ソワソワしちゃうんですよね、静かだと(^_^;)
異動先の先生方が…
「こんなに静かなんですね」なんて話をすると、
新しい同僚達に「前任校で苦労されてたんですね〜、ここはそんなこと起きないですよ」と苦笑しながら言われる。
みなさん口を揃えて、「みんないい子たちですから」と。
先生方、お上品に見えます…
あれ?
生徒だけじゃなくて先生たちの雰囲気もなんか違うぞ…?
別世界すぎます。
確かに前任校の生徒たちもかわいかったです。
やんちゃで問題起こしまくるけど、一人ずつ話せば実は素直でいいやつら。
または、おとなしいんだけど不器用で、勉強も運動も人と話すことも苦手な優しい子たち。
でも、ここでの「いい子」の意味が違う。
異動先の生徒たちは、先生方に信頼されまくっている。
こ、これは、、、
落ち着かない!!!
いよいよ授業へ
ということで、異動して初めての授業、めちゃくちゃ緊張しました。
静かすぎて、
指示を聞いてくれすぎて、
今までの大声が必要なくなって、声量を持て余しちゃう。。
そして、使っている教科書も全然レベルが違う。
生徒の理解度も全く違う。
荒れた高校のレベルに慣れすぎていた私には、かなりしんどいギャップでした。
飽きさせないように、意味ない授業だと思われないように、
メンタルをやられて人目が怖くなっていた当時の私には、かなりプレッシャーが大きかったです。
文字をまともに読むことすらしんどさを感じていたので、辛かったです。
授業のあと、真面目な子たちが質問しに来たりして。
教師冥利に尽きるんですが、答えは分かっているはずなのに自信がなくて内心すごく不安が強くなってしまっていました。
鬱になる前はそんなことなかったんですよ。
専門教科については少なくとも。
たいていの問題は、入試問題でも、答えを導く道筋を伝えることができていました。
分からないとしても、生徒とのやり取りでなんとかできていました。
でも、頭が整理できなくなってしまったんです。
とりあえずでも答えるのが怖い(答えることは出来ていました)。
不安が強くて、教科教育に自信をもって取り組めない。
これが、異動したあとに感じた苦しさの1つです。
新年度、育休復帰のときぶりにアドレナリンを出しまくって乗り切りましたが、
緊張しすぎてまたお腹を壊すようになりました。
今度は授業の組み立てや予習のために、また夜眠れなくなりました。