先生を辞めた~私の場合~

教員の仕事、大好きだけど辞めました!鬱(再発防止期)と育児とお仕事の話。

異動後のうつと私⑤~文が読めない!情報拒否の苦しさ〜

 

鬱と診断されて、たくさんの心身の症状に苦しめられてきました。

これまでの記事で書いてきたように

異動して少し落ち着いたことで気持ちは楽になりましたが、

心身の症状とともにずっと苦しんでいたことがいくつかあります。

今日はそのうちの一つ、文章が読めないことについて。

 

脳が情報を拒否する

うつになって、薬を飲む前から

脳が情報を受けつけない感じがしていました。

 

まず最初に異変を感じたのは、通勤の車の中。

休みたい、消えたい、と泣きながら這いつくばって子どもたちを保育園に預けたあと、

車の中で自動的に流れていた音楽を聞いて、

「なにこれ。無理。」と思いました。

歌詞を聞くと感情的になるから無理とかそんな感じでは全くなくて、

とにかく脳が混乱するというか、受けつけないというか。

これ以上なんの刺激も無理、って感じです。

音楽を聞いていられなくなりました。

 

あとは、わが子たちに話しかけられたときのイライラ。

特に仕事が終わって帰宅したあとに、なんでもないことで「ママ」って話しかけられるだけで

いや、そっと指で触れられるだけで

脳がパンクです。

少しの情報も受け付けられない。

何も刺激がほしくない。

とにかく暗い部屋で一人でうずくまって丸まっていたい。

そんな感じでした。

 

文字が読めない

あらゆる刺激が受け付けられない状態になって、

人と会話する時にも頭が働かなくなりました。

そして、仕事で読む文章も、全く読めなくなりました。

 

仕事柄、文字は読まなきゃやってられないんですが

教科書に目を通そうと思っても、できないんです。

左上、ページの一番最初から読まなきゃいけないんだけど、どうしてもそれすらできない。

目線はわけのわからないところに行ってしまって操れない。

そして、そのわけのわからない所から読み進められるわけでもなく。

ただ文章の上を目線だけがすべっていきます。

 

読まなきゃ。

読まなきゃ。

内容に集中しなきゃ。

そう思うんだけど、全く頭に入ってきません。

今思うと不思議なんだけど、脳が拒否してる感覚でした。

 

授業をする上での苦しさ

どんなに職員室で落ち込んで涙がわけもなく出てしまっていたときでも、

教室に入るときには涙を止められていました。

心の中ではずっと、消えたい、この窓からふっと消えてしまいたいとばかり考えていましたが、

生徒の姿が見えるとなんとか切り替えられていたつもりだったんです。

 

それでも、文章を読めないのは教室の中でも同じでした。

文字を順番に追っていくことがとても苦しくて、

そんな自分に焦っていました。

 

異動先の学校は、いわゆる進学校

しかも受け持っていたのは3年生ばかり。

国立大を志望する子も多くいるような学校です。

 

授業に集中しなきゃ。

でも、読めない。

頭に入ってこない。

 

この授業中の焦りを解消するには、

それまで以上に授業準備をして、内容を頭にたたきこんでおくしか方法がありませんでした。

質問されるであろう箇所を予測して、必死に予習しました。

 

鬱になる前だったらその場で対処できていたような内容ですら、

その時は答えられるかが不安でこわくて。

授業中に焦ってしまったら自分の気持ちの落ち込みを抑えられないような気がして。

 

その不安を消すために、

また眠れなくなっていきました。

 

でも、退職するまでまだまだ働きます…