先生を辞めた~私の場合~

教員の仕事、大好きだけど辞めました!鬱(再発防止期)と育児とお仕事の話。

異動後のうつと私⑦〜歩幅が狭くて怒られるの巻〜

うつになってから、人が怖くなりました。

誰かが嫌とか何かが具体的に怖いとかじゃなくて、

自分の心がマイナスに動かされるのが不安だと感じていたような気がします。

どうやったってネガティブに捉えてしまうから、とにかく人と関わるのが私にとっては本能的に危険なことでした。

 

今日は異動先の学校で、そんなコミュ障ぶりを発揮してしまったちょっとした事件?について。

 

うつの特徴…?

鬱になってから、他の人のある特徴を見つけると「この人、精神的に疲れてるのかな?」と思うようになりました。

私自身もメンタルがボロボロになってから、同じ状態だったから。

 

その特徴というのは

 

歩幅が狭い&何かを胸の前で抱えがち

 

ってことです。

 

私自身、うつと診断されたころは、すでに身体中が鉛のように重くて、

足を動かすのも一苦労。

すり足のようにして歩いていました。

 

療休から復帰された先輩教員も、復帰してしばらくすると同じような歩き方になっていました。

ファイルとかを胸の前でぐっと抱えて前かがみで。

動かない足を必死で引きずっているような。

 

私の鬱に気づいてくれた管理職も、常にそんな歩き方でした。

どんなに笑顔でも。

どんなに普通に仕事をしているように見えても。

 

歩幅が狭くて怒られる

そんな歩き方で仕事をしていたある日。

会議のために仕事を切り上げ、慌てて会議室に移動していると

後ろから「情けない歩き方するなよ〜」「若いんだからもっとシャキシャキ歩け」という声が聞こえました。

 

あ…。と思いました。

余計に肩に力が入って丸まりたくなる感じがしました。

 

そして、

後ろを振り向くことができませんでした。

 

「え、そうですか?」「ごめんなさい、疲れちゃって〜」とか適当に言えばよかったのに。

怖くて、余計に身体が固まってしまって。

脳もフリーズしてしまって。

聞こえないふりをしてしまいました。

 

声からすると、他教科の、定年間際のベテランの先生でした。

色んな人にいつも軽口を叩いていて、

悪気なくいじっているのが分かるような

気さくな方でした。

 

それなのに私は

自分の精神状態に自信がなくて、

逃げたい。と思ってしまいました。

 

私が暗い人間だって気付かれてる…

怖い。

 

頭の中では

「これはただの悪気ないコミュニケーション」

「笑って適当に返事しなくちゃ」

「反応しなくちゃ雰囲気が悪くなる」

とか、ぐるぐる考えてるんです。

 

でも、身体は動かない。

 

私の歩くのが遅いので、その先輩は「おつかれさーん」と追い抜いていきました。

その時はさすがに「あ、おつかれさまでーす!」と、その時気づいたかのように返事をしました。

これだけの出来事なのに、その後何日もこのことについてぐるぐるぐるぐる悩みました。

毎日、ずっとそんな感じ。

ちょっとしたことでも負のスパイラルから抜け出せませんでした。

 

新しい環境でも変われない

前に書いたように、私は異動先の学校で鬱であることを隠して、元気に働ける人としてやり直したかったんです。

でも、結局できなかった。

暗い部分に気付かれてる。

 

私は

変われない。

 

そんな絶望を、こんな些細な出来事から、日々感じていました。

 

それならそれで、受け止めれば良かったんです。

心が疲れていることを他の人に知られたって全然気にすることなかったのに、

あのときは怖かった。

改めて、そこが私の弱さだったんだなと感じます。

 

 

あのときの私のような歩き方をしている人を見ると、気にかかります。

つらいんじゃないかな。

声かけようかな。

 

何気ない会話で声をかけることもあれば、

勘違いかもしれない、と見て見ぬふりをすることもあります。

 

あのときの先輩教員だって、もしかしたら心配して声をかけてくれたのかもしれないなって、

今は思えます。

 

ごめんなさい、ありがとう。

と、今さらながら。